fc2ブログ

「新850語で書く英語」88題:04後半「哲学と科学」

20210822193603544.jpeg


問題
04 哲学と科学
  「多くの点で哲学と科学とはほとんど相対立するもののように思われる。すなわち,前者は非常に概括的な理論を築きあげ,仮説についての不確実な信念を取り扱うのに対し,後者は確実であって,特殊な事例をとりあげ,事実のみを扱うものであるからだ。」

Basic訳例
In a number of ways philosophy and science seem to be almost like opposite: the one, building up very general theories, working with uncertain beliefs about fictions; the other, certain and using special examples, working only with facts.

解説
 今回は室先生の総括的なアドバイスはなく、いきなり各々の表現についての解説に入っています。

 では第1文から。
「 多くの点で哲学と科学とはほとんど相対立するもののように思われる。」
- 「多くの点で」は in a number of ways 又はon a number of points としています。私の愚案では、ここは逐一訳さなくてもいいだろうと略してしまいました。ちなみに、Basic850語には中学英語で頻出基本単語のmanyがありません。何ソレ?と思いますが、manyの代わりによく使われるのがa number ofです。室先生は「numberの方が幅広い意味があり用途がある、とのこと。
- 「哲学」はPhilosophyです。アレ?前述のように、Basic850語にあるとかないとか厳しく制約しておいて、「哲学」Philosophyは「Basic850語の語表にはないが、「国際語と考えましょう」なんて説明で済ませて、チャッカリ使っています。「哲学」の他にも学科やビジネス単語や国際情勢に出てくる用語のうち、英単語というよりも国際的に通用している単語については、例外としてBasic850語になくても使ってよい、ということになっています。ここはそういうことでお許しを。
- 「ほとんど相対立するもののように思われる」の部分は、seem to be almost like oppositeとし、「相対立する」をoppositeを使い、「~のように思われる」は「からのように見える/~のようだ・らしい」に相当するseemを使っています。私の愚案では、oppositeの代わりにagainstを使っていますが、まぁ通じると思います。

 問題文の日本語では、ここから第2文です。
「すなわち,前者は非常に概括的な理論を築きあげ,仮説についての不確実な信念を取り扱うのに対し,後者は確実であって,特殊な事例をとりあげ,事実のみを扱うものであるからだ。」
- 「すなわち」の部分は、室先生の訳例では「:(コロン)」を使って、「言い換えると・・・」という記号で表現しています。反則のようですが、それも一案ですよね。私の愚案では、in other wordsと、定石を使っています。
- 「前者は・・・・・、後者は・・・・」の部分は、the one …, the other…を使っています。ここのくだりの書き方として、今回室先生は、主語・動詞という普通の文の形を取らずに、~ing形の分詞構文で前者と後者を「,(カンマ)」や「;(セミコロン)」をうまく使って並列するワザを使っています。話し言葉ではなく、あくまで「文語」ですが、シブいですね。
 the one, building up very general theories, working with uncertain beliefs about fictions; the other, certain and using special examples, working only with facts.
- 「概括的な」は日本語の難しい表現をザックリとgeneralの一語で切り捨てています。私の愚案も当っていましたが、これまでBasicを勉強していて何回かgeneralの洗礼にあっているので、「概括的な」に悩まずパブロフの犬状態でgeneralを使いました。generalというと「一般的な」と定番訳しそうですが、「全般的な、大まか、概略の・・・」等の意味もあり、「将軍」「通常の」「原則的な」などの幅広い意味を持ちます。要するに「幅広く全てを網羅するような・・」というルートセンスを持つ語なのです。ちなみに「将軍」は一軍を率いるため、軍の多様な軍種(歩兵、戦車、砲兵、工兵、通信兵、衛生兵、・・・等々)を全て束ねるので出身軍種から卒業して「将軍」Generalという階級になるわけです。余談でした。
 似て非なる語で、generalと迷うものにcommonがありますが、commonは「一般、通常、同じ、頻出、平凡、よくある、・・」等の意味があります。多少かぶったところもありますが、前後の文脈で判断しましょう。
- 「概括的な理論を築き上げ」の部分は、building up very general theoriesときました。そうか「築き上げ」をbuilding upとは反則すれすれですよね。動詞buildは×ですが、名詞としてのbuildingはBasic850語にあるんですよね。この名詞buildingを動詞のようにing形として使うなんて一見反則なんですが、アリなんです。しかし、Basic達人のワザとしてbuilding up very general theoryのveryを入れているところがシブいですね。generalを強調して入れてるんでしょうね。凡人にはこのveryの入れ方はなかなかできません。
- 「仮説についての不確実な信念を取り扱う」の部分は、working with uncertain beliefs about fictionsとしています。「取り扱う」をworking withとしましたか。シブいなぁ。ここで「仮説」の部分にfictionを使っていますね。「仮説」を愚案にて検討した際、fictionも頭をよぎったのですが、「だって偽りだから違うな。うーむ『仮説』だから、『一時的な/仮置きの理論』としたいなぁ」と考えたあげく「一時的」という語もBasicでは思いつかず、結局「theoryでいこう」と考えました。しかし、室先生の訳例でfictionとされていたので、悔しいので辞書を確認したところ、fictionは「作り話、虚構、虚言、妄想」等の「偽り」に発する意味がありますが、一方で「仮説、仮定」も意味します。畜生!fictionか。・・・しかし、またBasicの自慢になりますが、Basic850語という厳しい制約があるが故に、この限られた語の中で何とか表現しようと頭を絞る、このトレーニングが英語脳のインナーマッスルに当る英語運用の足腰を鍛えるのです。
- 「後者は、確実であって特殊な事例をとりあげ,事実のみを扱うものである」の部分は、; the other, certain and using special examples, working only with facts.としています。前半部分で前者の前半でbuilding upとしていた部分に当る動詞っぽい分詞部分がありません。動詞のing形の部分が略されて、ただcertain and using special examplesというだけの名詞節になっています。この辺も敢えて名詞の羅列っぽくなっていますが、並列にしているんだから前者と同じような動詞のing形を自分で補って理解しろよ、という高等なワザなのでしょうか。敢えてing形を同様な形で入れるなら、using certain and special examplesといったところでしょうか。後半は、前者の後半と同じworking withを使っていますね。こっちこそ並列だから略しそうですが、きっとonly with factと言いたいからworkingも略さず入れたんでしょうね。ちなみに、working with fact onlyでははなく、working only with factなのですね。確かに、onlyの位置がネイティブっぽいですね。

用例
 今回、室先生が取り上げたのはbeliefとfiction です。

-belief の用例:
 beliefは解説では「信念」としていますが、この語はそもそも「ハッキリした確証はないが、~と思い込む」という専らその人の頭の中にある「そう信じていること」だそうです。
•It is my belief that we will have snow tomorrow. (私の勝手な思い込みですけど、明日は雪になるでしょう。)
•I went there in the belief that he would come. (彼は来るであろうと思い込んで,私はそこに行きました。)

-fictionの用例:
 解説で「仮説」として説明したfictionですが、元々「実際には存在しないもの/こと」を表し、「虚構」とか「小説」などの意味を持つ語だ、と室先生は次の用例を添えて説明しています。
•It is sometimes hard to get fact and fiction separate. (事実と虚構を区別するのは困難なことがよくある。)
•There were two or three works of fiction on the table. (そのテーブルの上には小説が2・3冊のっていた。)
 ということは、fictionはfactの相対する概念で、fcatが確固たる事実であるのに対し、fictionは不確実不確定な「偽り/虚構」だったり「仮説・仮定」だったりするこの、と覚えておくことが間違いないようですね。

私なりの教訓
 今回は、ing形の分詞構文の並列という達人ワザを見せつけられて、レベルの違いを再認識しました。こりゃ勉強にも何にもなりゃしない、とはなりませんが、もう一皮むけた英語のステージに上がるには、自分でこうしたワザを使えるようにならないといけないのでしょうね。とは言え、高度なワザを使えずとも、私の愚案もこのブログを書き始めた頃より、我ながら力が付いてきた気がします。それなりに取りあえず通じると思うんですよね。更なる上のステージ、より高いレベルの自分の英語世界を開くため、こうした訳例にふれ、また英文記事やニュースなどで触れた英語の中で、こうした例を見つけては、後学のために参考採取させていただき、学びを深めていくしかないのでしょうね。奥が深いですね。

@@@@@@@@@
 では、次の宿題です。これまた難問です。

05: 生物の起源 
 「現代の多くの生物学者の意見によると、生物は大古に何か自然の法則を越えた過程 によって地上に出現したか、あるいは鉄または石のかたまりに付着して宇宙から地上に到達したものである。」

(了) 


英会話ランキング
にほんブログ村 英語ブログへ
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

プロフィール

an old soldier

Author:an old soldier
自衛隊OBです。Basic Englishは基本単語850語だけで表現する英語の足腰を鍛えるコアトレです。自衛隊時代にPKOや日米共同訓練はBasicで乗り越えました。切れる英語です。退職後に英語やり直し中。 国際情勢のブログfog of warも覗いてみてください。

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR